治療方針

患者さんの「観察」をすることから始めます。
入り口のドアを開けた瞬間からすでに診察は始まっています。下足を脱ぐ動作、受付までの歩の進め具合、表情、口調まで。可能な限りの情報を事前に集め、実際の問診へと入ります。

  • 問診による辛い箇所の確認
  • 患部の痛みの度合いと様子
  • 何をして痛めたかの原因の追究
  • 過去、現在のケガの経験、内科の病気の経験。

初めて来られる方は、なかなか心を完全には開いて下さらないものですが、出来る限りの情報をまずは収集して参ります。
それから実際に体を触らせて戴くのですが、捻挫等のケガであってもその患部のみに着眼せず、体全体のバランスを捉えるよう骨格の歪み具合、筋肉の状態を診ていきます。そこで治療のプランニングをお話しして、何をしていくのかを説明し、了承して戴いて初めて治療を始めて参ります。
何事も患者さまに主導権をゆだね、診療していき、経過を観察していく中で徐々に信頼関係が生まれ、時にはこちらが新しい治療の提案もしていきます。相互の信頼関係が構築されて徐々に体も快方に向かっていくのだと長年の経験から感じております。
長年の苦痛で諦めている方も多くいらっしゃるのかと思いますが、体がよくなるヒントは体のどこかにあるはずです。それを見つけるのが我々の使命かと思っております。

バランスボールを使用した体操の指導を行っています。

バランスボールを使用した体操の指導を行っています。

では実際になにをしてくれるの?

マッサージ

〜マッサージという言葉の印象としては皆さん、巷に溢れる自費のマッサージ屋さんのイメージを多くもたれているかとは思いますが、我々はあくまでも治療、体を良くする上での一つの手段としての「体を観察する行為」だと捉えております。
体の骨格の歪みを判断し、それを引き起こしている筋肉の張り、凝り、緊張の度合いを把握し、そこの血流の促進を促し、その辛い張りを引き起こしている別な箇所の体の張り、凝りを見つけ出して揉む、さする、押すということをリズミカルにしていきます。
実際にマッサージを受ける印象としては「痛気持ちいい」という感覚を大切にしております。その「痛ギモ」という感じ方が筋肉を短時間で効率よくゆるますことが出来、科学的にも立証されています。
自律神経という人間が人間らしく生きるうえで正しく働くべき神経の活動も、整えることができるのが前に述べた「痛気持ちいい」という感じ方です。国家資格を取得し、解剖学をはじめ、東洋医学の知識を学んでいる我々が行うマッサージは俗にいうマッサージ屋さんのものとは明らかに目的が異なります。
医療方針でもお話したように体の状況を把握することと同時に治療もしていく。色々なマッサージを受けてこられて強くしてほしいですとか様々な欲求もあるのかとは思いますが、自身の感覚のズレみたいなものも治療をしていくことによって整っていくようです。そういう意味では自身の健康管理の一環としても有効に活用されることをお勧めします。

マッサージ

鍼灸

鍼(はり)という言葉のイメージとして受けたことのない殆どの方が「注射」の痛さと同じイメージをもたれているのかと思われ、頑なに拒絶されてきた方も多いように思われます。 我々が使用する鍼は、人間の髪の毛程度の0,01mm程度のとても細いものを扱っています。したがって鍼を実際に体に刺す際の痛みもチクっという程度かツボの場所によっては全く痛みを感じない所も多いのです。何かに例えるとするならば、「蚊に刺される感じ」とよく表現します。蚊に刺される時はおそらくどの方も自覚はなく、むしろその後痒くなったことで刺されたんだと認識する。いわば「いつのまに刺されたの?」という位の行為なのです。
東洋医学でいうツボ(経穴)というのは実際1mmに満たない幅の狭いものと解釈されています。またツボは体の反応点でもあり治療点であるともいわれています。ツボに対する治療としては、マッサージ、お灸でも可能なのですが、的確にツボを捉えるという意味では鍼を使うことが効果を導きやすいのかもしれません。
それでもやっぱり怖いという方は沢山いらっしゃるのかとは思われます。そんな方々にはまずは鍼治療の入口として、皮内鍼(ひないしん)という0.08mm程度の鍼をテープで貼るタイプのものがあります。この鍼は全くの無痛で鍼が体の中に入ってしまうということも100%ないので安心かと思います。当院では必ずどの患者さんにも鍼をするということは決してしませんのでご安心下さい。
灸(きゅう)は昔ながらの皮膚に直接艾(もぐさ)をのせて燃やし、膿を出すというものではなく、円筒形の紙の筒の上に艾を乗せ、その艾の燃えた熱が筒を伝わってツボを刺激し温めるといういわば「温灸」ですので火傷の心配も殆どありません。熱いというよりは「痛痒い」といった感じ方です。尚、鍼、灸ともに体に副作用のないものですので一度試してみるのも良いかと思います。

鍼灸

肩こり

人は頭という4.5〜5,5 kg近い重たい物を支えるために背骨が前後方向に波のようなカーブをもつことでバランス良く頭の重さを支える事が出来ます。ただしそれは立位で、正しく立つことによってのみどこの筋肉にも負担をかけずに行えるものであって、日常生活においては誰しも立った姿勢から何かをしたり、物を見たりと、あるいは座って何かをしたりですとか、少なからず立ったまま正しく姿勢を保って何かを行うのは実際不可能なことであります。何かをする、取り組む上で我々人間は目でそれを追い、その行動に集中する。必然的に頭は前にもたれることになります。頭が前にもたれ、それを持続するために体の背中側にある筋肉が縮まり、頭の重さを支え続けるためにその筋肉は縮み続けます。筋肉の使い方の簡単な説明として二の腕(力こぶの筋肉)を想像してみてください。手のひらに1kgのダンベルを持ち、肘が伸びた状態からダンベルを肩に近づけるように肘を曲げます。すると力こぶの筋肉は盛りあがります。力こぶの筋肉は強く縮むことで膨らみます。では膨らんだ状態から少しずつ肘を伸ばしていきます。次第に力こぶの膨らみは小さくなります。力こぶの筋肉はダンベルの重さを支えながら伸びていきますが、ゆっくり伸ばしていく時に力こぶの筋肉は縮み続けています。疲労しやすい筋肉の使い方というのは、前述のダンベルを肩に近づける動きよりもむしろ肩から離していく時に支えながら下ろす時の方が疲労は溜まります。頭を支える背中側の筋肉はまさに疲労が溜まりやすい使われ方をしています。そのような筋肉は筋肉中の血管に乳酸等の疲労物質が溜まり、硬くなった筋肉が血管を圧迫し、血液自体の流れも滞り、筋肉は血管を流れる血液の中の酸素を栄養分としていますが、その栄養分も十二分に筋肉中に届かなくなって次第に硬くなる。肩こりというのは人が人間らしく生活すればするほど起こるべくして起こるものでもあります。簡単に言うと頭は前にもたれるのが多いので後方に倒すように首や肩をすぼめる動作をこまめに行うことは肩こり解消の一つの方法です。前述した鍼灸やマッサージも硬くなった筋肉を和らげる上では有効な治療法かと思われます。